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『時をかける少女』(ときをかけるしょうじょ、英題:)は、2010年の日本映画。筒井康隆の小説『時をかける少女』の4度目の映画化作品である。主演は2006年のアニメ映画版で声の主演を務めた仲里依紗が演じている。 キャッチコピーは『記憶は消えても、この想いは消えない。時を超えて、今、新たな物語がはじまる。』 == ストーリー == 大学入学を目前に迎えた芳山あかりは、進学先の大学で薬学者を務める母の和子と二人暮らし。父はあかりが生まれて間もなく和子のもとを去ったため、あかりは父のことをほとんど知らなかった。 和子と古くからの知り合いである酒屋の主人・浅倉吾郎は、和子に「近所の深町家の屋根裏部屋から出てきた」と一枚の写真とラベンダーの花の入った封筒を手渡した。その写真は和子の中学時代のものだったが、一緒に写っている少年に二人は心当たりがなかった。「土曜日の実験室」と深町一夫の記憶が戻ったその矢先、和子は交通事故に遭ってしまう。病院で一時的に意識を取り戻した和子は何かを思い出し、「1972年4月6日に行って深町一夫という人に会う」約束を自分の代わりに果たすようにあかりに告げる。 あかりは和子の作った薬を飲み、母から言われたように「1972年4月の中学校の実験室に行く」ように念じるつもりが、間違えて「1974年2月」と念じてしまう。あかりは不思議な空間を通り抜けてどこかの教室に現れるが、着いた先は母から指定された中学校の理科実験室ではなく、1974年2月16日の大学の実験室だった。たまたまそこにいた青年・溝呂木涼太の頭上に落下したあかりは、成り行きで涼太のアパートで世話になることとなる。涼太はSFファンで、「2010年の未来から人に会いに来た」というあかりの説明を受け入れ、あかりを住まわせて深町一夫を探す手伝いをすることとなった。 あかりが中学校に赴いて、生徒に母から預かった写真を見せても少年のことは皆知らないという。卒業アルバムを見るが深町一夫の名前はなく、載っていた和子の住所に行っても人が住んでいる気配がない。通りがかった若いころの浅倉吾郎から、和子は高校入学とともに横浜市に転居したと教えられる。横浜の高校で当時の和子と出会うあかり。しかしやはり写真の少年のことは知らないと返答される。 涼太は仲間たちと8ミリで2011年の未来を舞台としたSF映画を撮るのに熱中していた。あかりも「涼太のいとこ」ということにして、それに付き合うこととなる。そのカメラマンを務めるゴテツというあだ名の男の下宿で、あかりは和子の写真を見つける。再び和子に会いに行ったあかりは、和子から中学3年の時に突然薬学を志して理科系に強い高校に進んだこと、ゴテツとは交友があることを教えられる。そこで耳にしたゴテツの名前は、あかりの実父と同じだった。 深町一夫を探すのに行き詰まったあかりに、涼太は新聞に訪ね人の広告を出し、指定した日時に理科実験室に来てもらおうという。新聞社で拝み倒して何とか広告を載せてもらえることになる一方、映画の制作はクランクアップを迎えた。撮影現場には和子もやってきて、自分はゴテツに好意を抱いているとあかりに話す。あかりはゴテツから「涼太のいとこじゃないだろう」と声をかけられた。訪ね人の広告が載る日、涼太はゴテツから借りたカメラで、「付け加えたいラストシーン」として桜並木を歩くあかりの後ろ姿を撮影する。そこはあかりも2010年の世界でよく知っている場所だった。36年後にもこの場所で会ってほしいという涼太。そして広告に指定した3月2日、理科実験室で待つあかりの前に一人の中年男性が現れた。それは深町一夫だった。 あかりは自分が芳山和子の娘だと名乗り、この時代に来た経緯を説明して、母の「約束は消えていない」という言葉を伝えた。深町一夫は高校生ではなかったのか、と問うあかりに一夫は、2698年〔原作および1983年版映画では一夫は「2660年の薬学博士」という設定だった。〕から尋ね人欄の記録を見てやってきたのだと答える。そして、一夫は自分の本名が「ケン・ソゴル」だと名乗ると、和子との出会いと別れについて語り、別れ際に「全く別人として会いに来る」と約束したが、自分が和子の記憶を消したと明かした。一夫は、使命を終えたあかりは2010年に戻る必要があり、そのためにあかり本人および関わりを持ったこの時代のすべての人間の記憶を消す目的でやってきたと述べる。すぐに記憶を消そうとする一夫に、あかりは「未来に帰る前にもう一度会っておきたい人がいる」と告げ、夕方まで待ってもらう了解を得た。 あかりはもう一度涼太と会い、深町一夫に会ったことを伝えた。涼太は編集まで終わった音入れ前の映画のフィルムをあかりに渡した。涼太は実家から父が倒れたという知らせを受けており、その日の夜行バスで郷里の秋田県能代に向かうことになっていた。涼太はすぐに戻ってくるからフィルムを完成させて一緒に見ようと告げて別れる。そのあと、あかりは秋田に行くバスに乗り遅れそうだという吾郎に会う。2010年の世界で吾郎が、1974年に大事故を起こした秋田方面行きのバスに乗り遅れて命拾いしたと話していたことをあかりは思い出す。不安に駆られたあかりはバス乗り場に出向き必死で涼太を探すが、能代行きのバスは出発する直前だった。バスに乗り込もうとするあかりの腕を誰かがつかむ。それは一夫だった。「過去を変えてはならない」という一夫に、あかりは「未来に帰らなくてもいい」と母から託された帰るための薬を投げ捨ててしまうが、一夫はあかりの動きを阻止して気を失わせ、記憶を消し去った。 あかりが気づくと2010年の自宅だった。一方一夫は2010年の和子の枕元に現れて、あかりから受け取った過去の写真とラベンダーを置く。目を覚ましていた和子はそれに気づき、伝言が届いたとつぶやく、一夫はメッセージのお礼と再び未来で会うことを約束して病室を後にした。 和子には異状はないという診断が下る。あかりは久しぶりに父からかかって来た電話にお願いがあると答え、8ミリ映写機を借り受ける。制服のポケットに入っていた見覚えのない8ミリフィルムを上映するためだった。そのタイトルを聞いた父は「昔古い友達と撮った映画と同じ名前だ」と口にする。あかりは友人たちとそれを見たが、音声もなく、内容がよくわからない退屈な作品だった。だが、それを見ているあかりは不思議にも涙を抑えることができなかった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「時をかける少女 (2010年の映画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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